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自己破産後に起業のための融資を受ける方法や注意点を解説

2021年10月20日(水)3:50 PM

「起業したい」と考える方のなかには、自己破産を経験した人もいるでしょう。自己破産してしまうと、さまざまな面で制限が課せられるので融資受けるのも厳しくなります。しかし、融資を一切受けられないわけではありません。

この記事では、自己破産後に起業のための融資を受ける方法について解説します。また、注意点なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

自己破産後に起業のための融資を受けるのは難しい?

自己破産後は、企業のための融資を受けるのが厳しくなります。なぜなら、自己破産をすると信用情報機関に事故情報として登録されてしまうからです。

金融機関は融資の審査を行う際に、信用情報機関の個人情報の調査を行います。個人情報の調査を行う際に、事故情報として登録されていると審査に引っかかってしまいます。
つまり、ブラックリストに載せられてしまうので、どの金融機関からも融資が受けられなくなるのです。また、自己破産した事故情報は5~10年間残り続けるため、原則10年間は融資を受けるのが厳しくなります。[注1]

ただし、すべての融資が受けられないわけではありません。融資制度のなかには、起業を再挑戦するための制度があるため、自己破産後も受けられる融資制度があります。

[注1]弁護士法人アディーレ法律事務所:自己破産をすると,その後一切借入はできなくなるのですか?
https://www.adire.jp/jikohasan/faq/asset/absolutely.html

自己破産後の起業は公的融資がおすすめ

自己破産後は原則として融資を受けるのが難しいです。しかし、日本政策金融公庫や信用保証協会など公的機関では、自己破産後でも受けられる融資制度が設けられています。
以下、それぞれについて詳しく解説します。

日本政策金融公庫の融資「再挑戦支援金」

再挑戦支援金とは、日本政策金融公庫が設ける融資制度の1つです。廃業経験のある方を対象に、新たな事業を始める際の設備資金や運転資金の融資を行っています。ちなみに廃業経験がある方で、開業後7年以内であれば自己破産に関係なく対象になります。[注2]

再挑戦支援金の融資限度額は7,200万円です。返済期間は設備資金の場合に20年以内、運転資金の場合は7年以内になります。また、審査を行う際は、利用条件を満たしているかの確認や事業計画の確認まで行います。

[注2]日本政策金融公庫:再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/05_rechallenge_m.html

日本政策金融公庫の融資「新創業融資制度」

日本政策金融公庫の新創業融資制度も、自己破産後に利用できる融資制度です。新創業融資制度は、新たに事業を始める方を対象にした融資制度になります。自己破産した人でも対象者の要件や自己資金の要件を満たすことが可能です。

以下にそれぞれの要件をまとめてみました。

対象者の要件・新たに事業を始める方
・事業開始後税務申告を2期終えていない
自己資金の要件創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方

上記の要件を満たすことで、融資が受けられる対象になります。
また、新創業融資制度は、原則無担保及び無保証で融資が受けられるのが特徴です。融資限度額は3,000万円と低いですが、融資を受けるためのハードルは決して高くないといえます。[注3]

[注3]日本政策金融公庫:新創業融資制度
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

信用保証協会や商工会組合中央金庫の「再挑戦支援制度」

再挑戦のための制度は、日本政策金融公庫だけでなく信用保証協会や商工組合中央金庫にも設けられています。

たとえば、信用保証協会が提供する再挑戦保証は、県や市町村が提供する制度融資を受ける際に保証を請け負ってくれるのです。そのため、自己破産した人でも融資が受けられやすくなります。

また、商工組合中央金庫も再チャレンジ支援貸付を行っています。再チャレンジ支援貸付も過去に事業で失敗した人を対象にした融資制度になるため、自己破産後に起業するための資金調達方法としても有効です。

自己破産後の起業で融資を受ける際の注意点

自己破産後の起業で融資を受ける場合はいくつか注意点があります。以下では2つの注意点を解説します。

1. 融資制度によって対象となる期間が異なる

自己破産後に利用できる融資制度を検討する際は、対象となる期間に気をつけましょう。なぜなら、融資制度によって対象となる期間や内容が異なるからです。

たとえば、日本政策金融公庫の再挑戦支援資金は廃業してから7年以内でなければ申し込みができません。一方で商工組合中央金庫の再チャレンジ支援貸付は、事業を新しく開始してから5年以内を対象者としています。融資制度によって対象となる期間や内容が異なるため、混同しないように気をつけましょう。[注4]

[注4]三重県:融資制度のご案内 融資制度のご案内
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000945166.pdf

2. ある程度の自己資金は準備する

自己破産後に受けられる融資であっても、ある程度の自己資金は求められるので注意しましょう。たとえば、日本政策金融公庫の再挑戦支援資金は開業資金の3割程度必要になります。

また、新創業融資制度については、1/10の自己資金を準備するのが条件です。自己破産後すぐに資金を集めるのは大変ですが、融資を受けるためには自己資金をコツコツと貯める必要があります。

まとめ

自己破産後に起業のための融資を受けるには事前準備が大切

自己破産後は信用情報機関に事故情報として登録されてしまうので、起業のための融資を受けるのが難しいです。しかし、日本政策金融公庫や信用保証協会、商工会組合中央金庫などの公的機関であれば自己破産後でも受けられる可能性があります。

公的機関では、一度廃業経験のある方に向けて再挑戦のための融資制度を行っています。たとえ自己破産後であっても融資が受けやすくなるでしょう。
ただし、融資を受けるためには対象となる期間や自己資金の用意が必要です。そのため、事前に必要な条件や自己資金を把握しておくことが大切です。


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