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融資コンサルタントの役割や契約時に注意すべき2つのこととは?

2021年10月21日(木)9:53 AM

金融機関への融資申し込みに先立ち、融資コンサルタントへの相談を検討することもあるでしょう。
本記事では、融資コンサルタントの役割や活用するメリット・デメリット、契約時に注意すべき点について解説します。

資コンサルタントは資金調達の指南役

融資コンサルタントは別名「資金調達コンサルタント」とも呼ばれます。金融機関から有利な条件で融資を引き出す資金調達の指南役、と理解しておけばよいでしょう。とくに、金融機関との折衝に不慣れな小規模事業者や個人事業主は、融資コンサルトを利用するのがおすすめです。

融資コンサルタントはクライアント企業が融資を受けられるように交渉のアドバイスをしたり、融資が受けやすくなるように事業計画書や資金繰り表の作成を手伝ったりします。
また、融資コンサルタントから資金調達方法についてアドバイスを受けることも可能です。増資・融資・補助金・助成金・ファクタリングなどから、最適な資金調達手段を選びたいときに活用するとよいでしょう。
さらに、将来的に融資が受けられやすくなるよう、クライアント企業に財務改善案を提示することもあります。

なお、融資コンサルタントとして働くために特定の資格は必要ありません。そのため、税理士や公認会計士の事務所では、融資に詳しい人が相談に乗るケースもあります。元銀行員などが融資コンサルタントとして独立するケースもあるようです。

融資コンサルタントを起用する3つのメリット

まず融資コンサルタント活用のメリットを挙げてみましょう。

1. スムーズに融資申し込みの準備ができる

融資申し込みに不慣れな方が金融機関と折衝する場合、準備すべき資料に抜けや漏れが多くなり、融資審査までに多くの時間・手間がかかりがちです。
融資コンサルタントは金融機関が求めている要素を把握しているため、スムーズな申し込み準備が可能となります。

2. 金融機関の求めに的確に対処できる

必要書類を揃えて申し込んでも、スムーズに融資が決定するケースは稀です。融資審査中に、追加での説明や資料作成・提出を求められることは少なくありません。
こうした場合、金融機関の心証をよくするためには、迅速に対処することが大切です。融資コンサルタントの経験値やノウハウが大きな助けとなるでしょう。

3. 資金調達以外のアドバイスも受けられる

融資コンサルタントは税理士や公認会計士、元銀行員などが多いため、融資を受ける際の直接的な支援だけでなく、企業の財務改善や経営全般のアドバイスを受けられることが多いです。

融資コンサルタントを起用する2つのデメリット

融資コンサルタント活用のデメリットについても、予め押さえておいてください。

1. 金融機関から敬遠されることも

融資コンサルタントが前面に立つと、金融機関の担当者に身構えられてしまうケースもあります。融資コンサルタントは黒子に徹してもらい、対外交渉の場には出さないことが原則です。やむを得ず同席する際は、事前に先方の了解を得ておきましょう。
ただし、融資コンサルタントが税理士や公認会計士の場合、金融機関側が同席を歓迎するケースも多いようです。

2. 別途料金を求められることも

融資審査中に追加のアドバイスや資料作成が生じた際などは、別途料金がかかる可能性があります。予定外の負担を少なくするためには、契約の内容、範疇をしっかり確認しておくことが大切です。

融資コンサルタント契約に当たって2つの注意点

ここでは、融資コンサルタントと契約締結する際の注意点をまとめました。

1. 契約範疇での可能・不可能が明示されているかを確認

契約前にサービスの内容をしっかり把握しておきます。基本料金内で具体的に何を、どこまでやってくれるのか、契約書の雛形を取り寄せて確認しておくのがおすすめです。
また、追加料金が発生する条件なども押さえておきましょう。

なお、疑問に対する説明が不明瞭だったり、文書で明示してくれなかったりする融資コンサルタントは、起用しない方が無難でしょう。

2. 誤解を招く過剰な広告がないかを確認

先述の通り、融資コンサルタントとして融資の支援だけを行うなら資格は要りません。ただし、業務として融資斡旋を行う場合は、貸金業者としての登録が必須です。

「当社を通せば融資が受けやすくなる」「金融機関に人脈があって審査に有利に働く」などと謳っていれば、業務としての融資斡旋と見なされかねません。融資コンサルタントとしては、過剰広告とも考えられます。

まとめ

融資コンサルタントは小規模事業者と金融機関の橋渡し役

融資コンサルタントの役割や起用するメリット・デメリット、契約締結時の注意点について、整理して解説しました。
融資申し込みに不慣れな小規模事業者にとって、融資コンサルタントは大きな力になってくれる可能性があります。業務の範疇や料金については、契約前にしっかりと確認しておきましょう。


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