
現代社会において、事業活動や経済活動の基盤となる「会社」は、その形態や目的、設立方法などによりさまざまな種類が存在します。ここでは、日本における代表的な会社の種類について詳しく解説し、それぞれの特徴や設立時の留意点、メリット・デメリットなどを比較しながらご紹介します。
会社の主な種類
日本の会社法に基づき、会社には主に次の4つの種類があります。
- 株式会社
- 合同会社
- 合名会社
- 合資会社
それぞれの会社形態は設立目的や事業規模、出資者の責任範囲などによって使い分けられます。
株式会社
株式会社は、日本でもっとも一般的かつ代表的な会社形態です。大企業から中小企業まで、幅広いビジネスで採用されています。
特徴
- 株式を発行し、多数の出資者(株主)から資金を集めることができる
- 株主は会社の経営に直接関与せず、出資額の範囲で責任を負う(有限責任)
- 株式の譲渡が比較的自由に行えるため、資本の流動性が高い
- 取締役会や監査役会など、厳格な経営管理体制が求められる
設立手続き
株式会社を設立するには、定款を作成し、公証人の認証を受けたのち、法務局で登記を行う必要があります。設立時の資本金は1円から可能ですが、事業内容や規模に応じて資本金を決定するのが一般的です。
メリット・デメリット
- 社会的信用度が高く、資金調達の幅が広い
- 組織運営が複雑で、設立や維持にかかるコストが高め
- 経営者と所有者が分離しているため、スムーズな事業承継が可能
合同会社(LLC)
合同会社は、2006年の会社法改正で新たに導入された形態です。アメリカの「Limited Liability Company(LLC)」をモデルにしており、柔軟な運営が特徴です。
特徴
- 社員(出資者)が直接会社の経営に関与できる
- 出資者は出資額の範囲でのみ責任を負う(有限責任)
- 株式を発行しないため、権利関係がシンプル
- 利益配分や意思決定方法を自由に定められる
設立手続き
合同会社も定款を作成し、法務局で登記する必要があります。公証人の認証が不要で、設立コストが比較的低く抑えられるのが特徴です。資本金も1円から可能です。
メリット・デメリット
- 小規模事業やスタートアップに適し、柔軟な経営が可能
- 社会的認知度がまだ低めで、資金調達の面で株式会社に劣る場合がある
- 組織運営や利益配分を自由に設計できる
合名会社
合名会社は、日本の伝統的な会社形態で、家族や身内など少人数での事業に向いています。
特徴
- 社員全員が「無限責任」を負う(会社の債務について、個人財産をもって責任を負う)
- 社員が直接経営に携わる
- 株式の発行なし
設立手続き
定款を作成し、登記することが必要ですが、株式会社や合同会社と比べて手続きはシンプルです。
メリット・デメリット
- 意思決定が迅速で信頼関係が重視される
- 無限責任のリスクが高いため、近年は設立件数が減少傾向
合資会社
合資会社は、無限責任社員と有限責任社員の両方が存在する会社形態です。
特徴
- 無限責任社員は経営を担当し、有限責任社員は出資のみ
- 経営を担う側と資本を提供する側を明確に分けることができる
- 株式会社や合同会社と比べると設立数は少ない
設立手続き
合名会社同様、定款を作成し登記するだけで設立できます。
メリット・デメリット
- 経営と出資を分けたい場合に有効
- 無限責任を負う社員のリスクが高い
その他の法人形態
日本には上記の会社以外にも、特定の目的や活動に合わせて設立される法人があります。以下は代表的なものです。
一般社団法人・一般財団法人
非営利活動を目的とした法人です。一般社団法人は人の集まり、一般財団法人は財産の拠出によって設立されます。営利を目的としないため、利益は構成員に分配されません。
NPO法人(特定非営利活動法人)
社会貢献や公共の福祉を目的として設立される法人で、営利活動を主目的としません。ボランティア活動や社会事業、国際協力など多様な分野で活躍しています。
医療法人・社会福祉法人・学校法人
医療・福祉・教育など、公共性が高い分野で設立される法人です。これらはそれぞれの分野の法律に基づき設立され、運営されています。
会社設立時の主なポイント
会社を設立する際には、以下のポイントを押さえておくとスムーズです。
- 事業内容や規模、目的に適した会社形態を選ぶこと
- 出資者の責任範囲や経営参加の有無を明確にすること
- 設立費用や手続きを確認すること
- 将来的な事業展開や資金調達方法も見据えること









