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新規設立の消費税の課税について

2016年12月14日(水)8:44 AM
 消費税の納税義務の判定は、基準期間(前々事業年度)の課税売上高で判定します。

 1年間の課税売上高が1000万円を超えた場合、2年後から課税事業者となります。

 通常、新規設立法人は基準期間がないため2年間は免税事業者となります。
 しかし、要件を満たさなかった場合翌年から消費税が課税されることとなります。

 では、要件が何かを説明していきます。

 一つ目は資本金が1000万円以下であることです。

 二つ目は特定期間の課税売上高が1000万円以下であることです。
 特定期間とは個人事業主は1月1日から6月30日、法人の場合は事業開始日から6か月のことをいいます。
 つまり、半年の間に売上が1000万を超えると翌年から消費税が課税されることになる可能性が出てきます。

 三つ目は特定期間の給与支払額の合計が1000万円以下であることです。
 売上の調整するのは難しいかもしれませんが、給与の調整でにより1000万円以下にできる場合が多くあるでしょう。
 ここの給与支払額の合計は発生主義ではなく、支払ったものになります。給与支払いを末締めの翌月払いに設定している場合、実際は5か月分の給与支払額の合計額で判定することになります。
 また給与の支払額を下期の賞与にまわし、1000万円以下にするのも良いかと考えます。
 最初の2年間は従業員を雇わず、業務委託を活用する方法もあります。

 四つ目に1期目が7ヶ月以下の場合、特定期間に該当しないため要件を満たさなくても良いことになっています。
 つまり7か月以内になるように設立日を調整すると、売上高給与の額に関係なく2期目は免税事業者となります。

 売上規模や給与の金額が大きいと、たとえ2年前の課税売上高が1千万円以下であっても、消費税をおさめる財政基盤がある!と判定されます。
 個人事業で順調に売上が上がっており、節税のためにいざ法人にするぞ!といった際には、十分注意が必要でしょう。

 法人化をお考えの方は、一度ご相談ください。

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