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【確定申告の基礎知識】白色申告と青色申告の違いとは?

2021年11月01日(月)10:57 AM

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類あります。
フリーランス、個人事業主、副業などで所得を得ている方は確定申告をする必要がありますが、2つのどちらかを選ばなければなりません。

本記事では、白色申告と青色申告の違い、それぞれのメリットとデメリットについて説明します。

確定申告における白色と青色の違い

企業が年末調整をしてくれる給与所得ではなく、事業所得や不動産所得などがある方は確定申告をして所得税が確定されます。

確定申告には白色申告と青色申告があり、いずれかを選んで申告します。
この2つの違いをしっかり理解することで、確定申告の手間を省いたり納税額を少なくできます。

白色申告は所得が少ない人向け

白色申告は副業として少額の所得がある方や事業を始めたばかりで所得が少ない方におすすめです。

白色申告は記入が簡単で、確定が初めての方でも気軽に手続きができます。
また、控除の金額が抑えられるため年内の事業が赤字だった方も白色申告がおすすめです。

青色申告は個人事業主向け

個人事業やフリーランスとしてしっかり収入がある場合は、税金の控除額が大きくなる青色申告がおすすめです。
白色申告と比べると複雑な書類記入が必要になりますが、節税になるので青色申告を選びましょう。

副業として少額の所得がある、事業を始めたばかり、赤字だったという方でも青色申告を選ぶことは可能です。

白色申告のメリット・デメリットとは

白色申告のメリットとデメリットを紹介します。
自分にはどちらが合っているのかを確認しましょう。

メリット:記帳が簡単

白色申告の最大のメリットは記帳が簡単という点です。
確定申告をするためには収入や経費などを細かく管理する必要がありますが、白色申告の場合は収支内訳書にこれらを簡単に記入するだけで書類が完成します。
経理の作業が苦手な方や、時間がなく確定申告に時間をさけない方などにはおすすめです。

デメリット:特別控除を受けられない

白色申告は、特別控除を受けられないというデメリットがあります。
青色申告特別控除は最大で65万円控除を受けることができますが、白色申告の場合これが通用しません。
所得が多い場合は納めるべき所得税も高くなります。

さらに青色申告は赤字の繰越が最大3年可能ですが、白色申告の場合は繰越ができず、黒字になったときの税負担の軽減ができません。

青色申告のメリット・デメリットとは

青色申告のメリットとデメリットを紹介します。
青色申告を希望する場合はその場で選べるわけではなく、あらかじめ申請が必要です。
青色申告承認申請書や開業届を税務署に届出をしていない場合は、確定申告で青色申告を選びたくても選べませんので注意しましょう。

メリット1: 特別控除を受けられる

青色申告を選んだ場合は最大で65万円の控除を受けることができます。
特別控除を受けることで所得から65万円を差し引いた金額に所得税率をかけることになりますので、納税額を抑えられ、節税に役立ちます。
65万円の控除を受ける場合は白色申告よりもさらに複雑な記帳が必要ですので注意してください。

メリット2:さまざまな出費を経費にできる

青色申告ではさまざまな出費を経費にできます。
経費に計上すれば、収入から差し引いた所得の金額が低くなり、所得税が低くなります。

家賃や光熱費、通信費などは、白色申告の場合50%以上を事業に使っている場合でなければなりません。一方、青色申告の場合は、家賃の3割のみを事業に使っているなどのケースでも経費として計上することができます。
その他家族への給料や30万未満の固定資産なども経費にできます。

デメリット:複雑な書類の作成が必要

青色申告はさまざまな恩恵を受けられますが、その分白色申告に比べると書類が複雑です。

とくに65万円の控除を受ける際は複式簿記を用いる必要があります。
簿記の勉強をする、専用ソフトを用いる、税理士に相談するなどの必要があるでしょう。

しかし、メリットとデメリットを比較した際に、青色申告の方がメリットが大きくなるケースも多いです。税務署の窓口に相談すれば青色申告のやり方も教えてくれますので、まずはチャレンジしてみてもいいでしょう。収入や支出をきちんと管理していれば特別難しいものではありません。

まとめ

青色申告と白色申告の違いを把握して適切な方法を選ぼう

確定申告をする際は青色申告と白色申告のいずれかを選ぶ必要がありますが、所得や目的に応じて最適な方を選んでください。
それぞれにメリットとデメリットがあります。あとから後悔しないように双方の違いを確認しておくことが必要です。


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