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不動産売却後の確定申告に必要な書類と手続きの流れを紹介

2021年11月02日(火)4:18 PM

不動産を売却すると、条件によっては確定申告が必要になります。
放置しておくと追加で課税が発生したり、還付が受け取れなかったりなどの問題が発生します。

確定申告は必要書類を集めてきちんと手順を踏めば難しいものではありません。

この記事では、不動産売却後に確定申告を行う際に必要な書類や手続きの流れを紹介します。
不動産を売却した方は、実際の手続きの手順や用意すべき書類をチェックしましょう。

不動産売却後に確定申告が必要な場合

下記の2つの条件に当てはまる方は、不動産売却後に確定申告が必要です。
不動産売却後に利益が出ず、損益通算の適用条件を満たさない場合は、確定申告は不要です。

不動産売却で利益が出た

不動産売却で利益が出た場合、必ず確定申告をしてください。
利益が出たかどうかは、譲渡所得を計算する必要があります。

収入の金額から購入金額を差し引き、さらに取得費と譲渡費用を引いたものを引き、最後に特別控除額を引きます。
取得費は不動産を購入した金額だけでなく建物を建てた際かかった金額、手数料、取得税、解体費なども含まれます。

この譲渡所得がプラスになったら確定申告をしましょう。

不動産売却で損益が出た

不動産を売却したものの損益が出てしまった場合、確定申告をすることで繰り越し控除を申請できます。
繰り越し控除には国税庁が指定した条件を満たす必要がありますので、事前に確認しておきましょう。

損益通算をおこなえば所得税の軽減ができますが、損益通算をおこなうには確定申告が必要です。

不動産売却後の確定申告に必要な書類

不動産を売却したあとに確定申告をする際の必要書類は主に6つあります。
税務署で入手できる書類は、B様式の確定申告第一表、第二表と、分離課税用の第三表です。

不動産売却時に作成した売買契約書のコピー、不動産売却時の領収書も用意します。
さらに法務局で建物・土地の登記事項証明書を入手し、確定申告の手続きに進みます。

確定申告の際に書類に漏れがあると手続きができない、問い合わせが来る可能性があります。
確定申告を受け付けている期間は決まっていますので、前もって準備を進めておきましょう。

不動産売却後の確定申告の手続き方法

不動産売却時の確定申告の手続きについて紹介します。

1. 必要書類を集める

まずは上記で説明した必要書類を集めます。
確定申告の期間に間に合うよう、余裕を持って入手しておきましょう。

2. 譲渡所得税の計算

上記で紹介した計算式で譲渡所得を計算します。
譲渡所得税は、上記の譲渡所得に税率をかけると算出できます。

税率は不動産を何年所有していたかによって変動しますので注意しましょう。
所有期間が5年未満の場合は所得税は30.6%ですが、5年以上になると15.3%になります。

さらに所有期間が10年を超えるとさらに所得税が下がるケースがあります。
また、特別控除と併用できるケースもあり、複雑な計算をしなければなりません。

ミスがあるときちんと確定申告ができないので間違いのないようにしてください。

3. 書類を完成させる

計算ができたら書類の記入欄を埋めていきます。
国税庁のホームページからも書類を作成できますが、不明点がある場合は税務署に相談しましょう。

直接税務署に行けない場合でも電話で気軽に相談ができます。
ホームページでは数字を記入すると自動で計算してくれるシステムが完備されています。

4. 税務署に書類を提出する

完成した書類を税務署に提出します。
確定申告の期間は毎年2月から3月くらいまでで、期日は毎年微妙に違うので遅れないよういしましょう。

新型コロナウイルス対策で混雑を緩和するため、期限が延びている可能性もあります。
提出方法は直接窓口に持っていくだけでなく、郵送やホームページからの提出も可能です。

5. 納税する・還付金を受け取る

確定申告をして納税額が確定したら期限内に納税します。
現金の他、クレジットカードや口座振替などで納税が可能です。

全額一括で納税できない場合は期限内に半額以上を振り込み、残りの期限を延長できます。

還付金が発生した場合は申請書に振込口座を記入し、振り込まれるのを待ちます。

まとめ

不動産売却後は確定申告を忘れずにおこなおう

不動産売却後の確定申告について紹介しました。
普段法人に勤めていると確定申告をする機会はありませんが、不動産売却後はほとんどの場合確定申告が必要です。

必要書類を揃え、正しい計算方法、手順を覚えておきましょう。
難しい計算なども必要ですが、税務署に相談すれば丁寧に対応してくれます。

自宅からでも簡単に申請や相談ができます。
確定申告には期限がありますので、この期限を忘れないようにしてください。


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