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退職後に確定申告をすべきケースや手続きのポイントを解説

2021年11月02日(火)4:14 PM

企業に勤めていて副収入がない場合、確定申告は不要ですが、退職後には自分で確定申告をする必要があります。

この記事では、どのような条件が揃っていると確定申告が必要なのか、さらに退職後失業保険を申請した場合の確定申告について、さらに確定申告のポイントについて解説します。

退職後に確定申告すべき5つのケース

退職後に確定申告をしなければならない5つのケースを紹介します。
これらに該当する方は確定申告の期限に間に合うように準備を進めていきましょう。

1. 退職後転職していない

その年に退職し、年内に転職しなかった場合は確定申告が必要です。

年内に転職先が見つからなかった転職活動中の方だけでなく、個人事業主になった方や専業主婦、専業主夫になった方も確定申告をしなければなりません。

2. 年末調整をしていない

転職をした場合でも、前職の源泉徴収がない場合は現在働いている企業で年末調整ができません。
その場合は確定申告をしなければなりません。

源泉徴収は一般的に退職してから1か月程度で届けられますが、それが年末調整の時期に間に合わなかったり、前職の企業の都合で発行されていない可能性もあります。
届いていない場合は一度前職の企業に問い合わせてみてください。

3. 年内に給与が支払われていない

新しく就職した企業の給与の支払日が年をまたぐ場合、年末調整の対象にならない可能性があります。
その場合は自分で確定申告をしなければなりません。

給与の支払いが年をまたぐ場合でも、年末調整をしてくれる企業もありますので、事前に現在働いている企業の年末調整の対象になっているか確認しておきましょう。

4. 申告書を提出していない

退職後に退職金を受け取る場合、退職所得の受給に関する申告書を前職の企業に提出しなければなりません。
この申告書を提出していれば確定申告は不要ですが、提出していない場合は確定申告の対象になります。

5. その他の特別なケース

その他、企業の給与が2,000万円を超える方、副業で年に20万円以上収入を得ている方、医療費控除などさまざまな控除を受けている方は確定申告が必要です。
これらは退職している、再就職している、現在働き続けているといったケースに関わらず、確定申告をしなければなりません。

退職後の失業保険は申告しなくていい?

12か月以上勤務していた企業を退職し、再就職の意思がある場合などは失業保険を受け取れます。
金額は年齢やこれまで受け取っていた給与などから計算されるので人によって違いがあります。

この失業保険は、次の収入源を確保するまでの相低減の生活保障の制度です。
そのため課税の対象にはならず、確定申告の収入としてカウントする必要はありません。

ですが失業保険を受け取っている期間に収入があったことを隠していた場合は不正受給となり、受け取った失業保険金額の3倍のお金を返還、延滞金など重い罰則が課せられます。

退職後に確定申告の手続きをする3つのポイント

退職後に確定申告をする際のポイントを3つ紹介します。

1. 必要書類を集める

確定申告にはいくつかの書類が必要です。
確定申告の申請書は税務署で受け取れるだけでなく、国税庁のホームページからもダウンロードできます。

その他、源泉徴収票、国民年金などの控除を証明する書類、本人確認書類、マイナンバーカードなどが必要なこともあります。
退職した条件によって必要書類は違うので、必ず確認してください。

2. 期限内に確定申告をする

確定申告は毎年翌年の2月から3月ごろまでと期間が決まっています。
この期間を過ぎても確定申告をおこなわない場合、悪質だとみなされると罰則が発生します。

期限を確認し、必ず確定申告をおこないましょう。

3. 白色申告がおすすめ

退職後に確定申告をおこなう場合、青色申告より白色申告がおすすめです。
白色申告は控除額が低いですが記帳が簡単で、普段確定申告に慣れていない方でもスムーズに申告できます。

さらに白色申告には申告書Aと申告書Bがあります。
申告書Bは個人事業主だけでなくさまざまなケースの方が使えるので、こちらを選ぶといいでしょう。

退職後独立開業した場合などは白色申告ではなく青色申告がおすすめです。

まとめ

退職後の確定申告は忘れずにおこなおう

退職後、一定の条件を満たしている場合確定申告の義務が発生します。
確定申告を忘れていると延滞金などの罰則を受けなければならなくなってしまうので注意しましょう。

退職後の失業保険は確定申告をする必要はありませんが、不正受給とならないようにしてください。
確定申告は期限がありますので必ず間に合うように必要書類などを集めておきましょう。


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