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「生計一」の要件は必ずしも同居とは限らない!?

2016年08月23日(火)8:42 AM
年末調整や確定申告で、自分以外の人間の医療費控除や扶養控除などの各種控除を受ける際のキーワードに「生計を一にする」というものがあります。
日常生活においてはあまり聞かない言葉ですが、「生計を一にする」とはどういう意味でしょうか。
一緒に住んでいる、という意味でしょうか?

答えはNOです。
「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではないのです。
例えば県外の学校に進学した大学生のお子さんがいる家庭や、お父さんが単身赴任で働いているという家庭も多いと思います。
これらの場合、別居をしていても常に生活費や学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われるのです。
なお、親族が同居している場合には明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除いて、「生計を一にする」ものとして取り扱われることになります。

また、最近では独立している子供が、故郷に住む親の入院費用を負担することも多いようです。
この場合も子供が負担した医療費が子供の医療費控除の対象となるかどうかは、やはり「生計を一にしている」かどうか、がポイントとなります。
具体的には、親の年収が少額であり、子供からの仕送りによって生活しているという状況であれば、子供が負担した医療費はその子供の医療費控除の対象となる、ということです。
同居していないから……、と諦めないでください。
仕事や様々な理由のために親との同居は厳しい、けれども収入のない親の生活費は出している、という方はこのご時世多いのではないでしょうか。
以上のケースに該当するお子さん、親御さんをお持ちの方は、いま一度ご自身の扶養に関して見直してみてはいかがでしょうか。


因みに、扶養親族である親を施設に預けている場合には、どの程度が医療費控除の対象となるのでしょうか。
利用している施設によって、その対象となる金額が異なりますが、基本的に日常生活においても通常必要となる費用や特別なサービスの費用に関しては控除の対象から除かれます。
施設へ支払う全額が控除の対象となるわけではありませんので、医療費控除を申請する場合にはよく確認をするようにしましょう。

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