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合同会社を設立する際の手順や必要書類を詳しく紹介

2021年09月10日(金)12:09 PM

合同会社を設立する場合、手続きが難しそうというイメージを持つ人も少なくないでしょう。しかし、合同会社を設立する方法や手順は意外とシンプルなため、早ければ3日程度で終えることができます。この記事では、合同会社を設立する際の手順や必要書類について詳しく解説していますので、迷わずに手続きを行うことができます。

合同会社とは?

合同会社とは、現在設立できる4つの会社形態のうちの1つで、これ以外には株式会社・合資会社・合名会社があります。合同会社のモデルはアメリカのLCCで、2006年に施行された新会社法により有限会社に代わる会社形態として導入され、4つの中ではもっとも新しい会社形態となります。
合同会社の出資者は株式会社と同じく有限責任となりますが、原則として出資者が経営に携わらなければいけないという特徴があります。また、株式会社とは違って社員が意思決定を行うため経営がスムーズで、設立費用も抑えられることから合同会社を設立する人が増えています。

合同会社の設立が向いている事業

合同会社の強みは、設立や運営が他の会社形態に比べて簡単ということです。そのため、なるべく早く事業を法人化したいという場合に向いています。合同会社に向いている事業を具体的に紹介します。

小規模な事業

合同会社は、スピーディな意思決定や自由な利益分配などが特徴であるため、小規模な事業に向いています。特に、少人数で短期間に革新的な事業を展開したいと考えているのであれば合同会社が最適です。小規模な事業であるほど、合同会社としてのメリットや恩恵を受けやすくなります。

一般消費者向けの事業

合同会社のデメリットは、株式会社に比べて認知度や信頼性が高くないことです。しかし、これは取引先が対企業の場合の話であって、対一般消費者には当てはまりません。なぜなら、一般消費者に向けて商品やサービスを販売した際、会社名にこだわる人はほとんどいないからです。
一般消費者向けの事業には小売業やサービス業などがあり、その一例を以下に紹介します。

  • ITサービス
  • カフェ
  • 美容院
  • 学習塾
  • ペットショップ
  • 不動産投資など

年商が1,000万円を下回る事業

合同会社は低コストで設立できることが魅力となって選ばれていますが、節税効果を得ることもできます。年商が1,000万円を超える際に消費税の納税義務が発生するため、このタイミングで法人化することでにより、2年間の消費税納税免除が適用されます。

合同会社の設立に必要な書類

合同会社の設立には以下の6つの書類が必要となります。

  • 合同会社設立登記申請書
  • 登記用紙と同一の用紙
  • 定款(2部、会社保存用と法務局提出用として)
  • 代表社員の印鑑証明書
  • 払込証明書
  • 印鑑届書

上記の書類以外に、「代表社員就任承諾書」と「本店所在地及び資本金決定書」が必要になる場合があります。また、資本金を現物出資で行った場合は「財産引継書」と「資本金の額の計上に関する証明書」が必要となるので注意しましょう。

合同会社を設立する際の手順

合同会社を設立する手順を6つのステップに分けて紹介します。

ステップ1. 基本事項を決定する

事前に決めなくてはならない基本事項は以下の6項目です。

  • 会社名:既存の社名とかぶらないようにする(法務局で「類似商号調査」を行えば調べられる)
  • 事業目的:どのような事業を行うのかを具体的に決める
  • 本店所在地:会社の住所
  • 資本金額:誰がいくら出資し、総額はいくらになるのか
  • 社員構成:業務執行社員と代表社員を決める
  • 事業年度:何月に決算を行うかを決める

ステップ2. 印鑑作成

合同会社の設立には会社の印鑑が必要で、登記申請書と合わせて法務局に申請します。会社印は、「代表印(実印)」「銀行印」「角印」の3本セットで作成するのが一般的です。

ステップ3. 定款作成

定款とは簡単にいうと会社のルールのようなものです。株式会社を設立する場合に比べて決めなくてはいけない項目が少ないのでそれほど難しい作業ではありません。定款には以下の5つの項目についての記載が必要になります。

  • 表紙:会社名・会社設立日・作成日をそれぞれ記載します。
  • 公告方法:官報公告・日刊新聞紙公告・電子公告のいずれか1つを選ぶ
  • 社員責任有:限責任社員だけで構成されている旨を必ず記載する
  • 任意退社:社員が退社する場合の取り決めのこと
  • 損益の分配とその割合:損益の分配を自由に決められるため

ステップ4. 資本金の振り込み

資本金を振り込むタイミングは会社設立の前なので、社員のうちの誰かの口座に振り込めば問題ありません。
登記を行う際には振込証明書が必要になります。これは銀行が発行するものではなく、あくまでもご自分で作成したものになります。「当会社の設立により、発行する株式につき、次のとおり発行価額全額の払込みがあったことを証明します。」という文言に加えて、資本金の総額・日付(定款が認証された日以降)・会社名・代表社員の名前を記載し、押印したものを提出します。

ステップ5. 登記書類の作成

合同会社設立登記申請書は、法律によって形式や記載項目が決められています。記載項目には、会社名・本店・登記の事由・登記すべき事項・資本金・登録免許税などです。また、法務局の保管用として「登記用紙と同一の用紙」の作成も忘れずに行い、ミスの内容に見直しを行って上で提出しましょう。

ステップ6. 登記の申請

必要書類が整ったら管轄の法務局に行き、登記の申請を行います。この際、登録免許税として6万円の収入印紙を貼る必要がありますが、印紙は法務局で購入できます。
これで手続きは完了です。それほど複雑な手続きではないため、早ければ3日程度で行うことができるでしょう。

まとめ

これから会社を設立するなら合同会社を前向きに検討しよう

合同会社はもっとも新しい会社形態であるため認知度が低いのが現状です。しかし、確実にその数を増やしており、その自由度の高さから小規模事業やベンチャー事業を行う人に選ばれています。
これから会社を設立するのであれば、ぜひ一度合同会社について前向きに検討してみてはいかがでしょうか。


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