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運転資金を融資してくれる金融機関の種類と特徴を紹介します

2021年10月20日(水)10:57 AM

運転資金の融資を受けたいと考える経営者の方も多いでしょう。 本記事では、運転資金を融資してくれる金融機関の種類や特徴について、初めての方にも分かりやすく説明しました。あわせて、金融機関ごとのメリットとデメリット、融資を受けやすくするポイントも紹介します。

運転資金の融資が受けられる金融機関の種類

まず運転資金の融資をしてくれる金融機関の種類と、各々の特徴から紹介しましょう。

1. 都市銀行・地方銀行

審査が厳しいものの、融資は比較的受けやすいです。
運転資金の融資であれば、5〜7年程度の返済期間を設定するのが一般的です。利息は1〜3%ほどで、長期になれば高率設定となる傾向にあります。
また、融資限度額は銀行や融資先によってかなり幅があるため、注意しましょう。

2. 信用金庫

信用金庫は、運転資金の融資も受けやすいといわれています。返済期間は5〜7年以内での設定が多く、利息2〜4%程度とされるケースが一般的です。なお、融資限度額は、信用金庫や融資先によって大きく異なります。

3. 政府系金融機関

運転資金の融資を行う代表的な政府系金融機関は、以下の3つです。

日本政策金融公庫

運転資金の融資を比較的受けやすく、返済期間は概ね7〜8年以内で設定されます。利息は相当低く、0.3〜2.8%ほどが一般的です。
融資限度額は小規模事業者で4,800万円というのがひとつの目安となります。ただし、別枠融資の可能性もあるため、覚えておきましょう。

商工組合中央金庫(商工中金)

商工組合中央金庫も運転資金の融資を受けやすいです。ただし、対象が商工中金に出資する中小企業団体のメンバー企業に限定されているため、注意しましょう。
返済期間は一般的に10年以内で、設定利息はケースバイケースです。融資限度額2億5,000万円、というのがひとつの基準となります。

日本政策投資銀行

中堅企業や大手企業を対象とし、小規模事業者が付き合うことは困難です。設定される返済期間や利息、融資限度額は融資対象によって大きく異なります。

4. ノンバンク

つなぎ融資には最適でしょう。返済期間は1ヵ月から5年以内までと、大きな幅が見られます。設定利息は2〜18%と高率で、融資限度額は500万〜1,000万円程度が一般的です。

運転資金の融資を受ける金融機関別のメリット・デメリット

次に運転資金の融資を受ける金融機関ごとに、メリットとデメリットを押さえておきましょう。

1. 都市銀行・地方銀行の融資

メリットは融資審査に通れば企業の信用力がアップすること、比較的低利息であること、審査に準備する書類が少ないことです。
デメリットは審査が厳しく、小規模事業者には運転資金融資のハードルが高めであること、審査期間が長く1ヵ月ほど要する場合も見られることが挙げられます。

2. 信用金庫の融資

メリットとしては地域振興を目指すため、地元小規模事業者でも付き合いやすいこと、地元自治体の制度融資に精通していることが挙げられます。
デメリットは銀行融資よりも設定利息が高めになること、審査期間が長く、3ヵ月程度かかるケースもあること、融資限度額が比較的低いことです。

3. 政府系金融機関の融資

政府系金融機関のメリット・デメリットもそれぞれ異なります。中堅企業や大手企業を対象とする日本政策投資銀行は捨象しました。

日本政策金融公庫の融資

メリットは何と言っても無担保・無保証人で運転資金の融資を受けられることでしょう。加えて設定利息が比較的低く、創業支援制度も充実しています。
デメリットは審査がやや厳しく、審査期間も長くて1ヵ月ほど見ておく必要があることです。審査は面談重視となっており、入念な準備が求められます。

商工組合中央金庫(商工中金)の融資

メリットは比較的低利息であること、運転資金の融資でも返済期間が最長10年と長いことです。
デメリットとしては、融資自体のハードルが低いものの、商工中金に出資する中小企業団体のメンバー企業でないと、融資対象から外れることでしょう。メンバー企業になるためには会費負担が必要です。

4. ノンバンクの融資

メリットは無担保・無保証人で運転資金の融資を受けらること、審査期間が即日から数日と極めて短いこと、そして融資審査も緩めであることが挙げられます。
デメリットは、設定利息が一般に極めて高いこと、融資限度額が低めであることです。さらに、ノンバンクからの融資実績があると、銀行などの融資審査で不利に働くリスクも留意しましょう。

運転資金の融資審査に通りやすくなるポイント

何より運転資金が必要な時期と金額、使途、そして返済計画について、具体的かつ簡明に説明できるよう準備することです。見積書や資金繰り表も添えて、客観的な説明を心掛けるようにします。売上入金や支払サイトを考慮した返済計画になっていることが肝要です。

同時にあらかじめしっかり作られた事業計画書を提示できれば、突発的ではなく、計画的に運転資金の融資を受けたい趣旨が相手に伝わり、より審査に通りやすくなるでしょう。

まとめ

金融機関の特徴を見極めて運転資金の融資を受けること

運転資金を融資してくれる金融機関の種類や特徴、メリット・デメリットについて、初めての方にも分かりやすいように説明してきました。加えて融資審査に通りやすくなるポイントも解説しています。
運転資金の融資を受ける際は、各金融機関の特徴を十分理解したうえで、手続きを進めましょう。


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