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銀行融資の種類やそれぞれの特徴・受け方のポイントを解説

2021年10月20日(水)11:54 AM

「銀行から融資を受けたい」と考えて銀行融資を検討する方は少なくありません。
しかし、銀行融資にはさまざまな形態や種類があるため、どれを選んだらよいか悩むことでしょう。

この記事では、銀行融資の種類やそれぞれの特徴を解説します。
また融資の受け方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

銀行融資の主な形態は4つ

企業が銀行融資を受ける際の方法には、4つの形態があります。
以下では、それぞれの形態の内容や特徴について解説します。

1. 手形割引

手形割引とは、所有している手形を銀行に買い取ってもらう融資形態です。
企業同士で取引が行われる際に、商品の代価として手形を受け取ることがあります。

受け取った手形を銀行側に買い取ってもらうことで融資を受けることが可能です。
所有者は、銀行側に手形を買い取ってもらうことで、すぐに現金化できます。

また通常手形には、記載された金額と期日までに支払うことが約束されているため、銀行側にとってもリスクが少ないです。
そのため、比較的融資が受けやすい資金調達方法になります。

2. 手形貸付

手形貸付は、自社の約束手形を銀行に差し入れることで資金提供を受ける形態です。
手形に記載した時期に返済しなければならないので、融資期間は数カ月程度と短くなります。

そのため、1年以内の短期借り入れによく用いられる融資形態になります。
融資期間が短い分、審査や手続き比較的簡単です。

一般的に、日頃からお世話になっている銀行に申し込むことが多いです。

3. 当座貸越

当座貸越とは、銀行と当座貸越契約を結ぶことで融資が受けられる形態になります。
当座貸越契約を結ぶ際に銀行とあらかじめ融資の限度額を設定することができます。

限度額の範囲内であれば自由に借りたり返したりできるため、使い勝手がよい融資形態です。

ただし、当座貸越は銀行側からするとリスクが高いです。
リスクが高い分、審査も厳しくなるため財務状況の良い企業しか審査を通過できません。

一般的な企業が受けるには、難しい融資形態になります。

4. 証書貸付

証書貸付は、銀行から融資を受ける形態の中でもっとも一般的な方法です。
企業は銀行と融資額や金利、返済期間を定めて「金銭消費貸借証書」を交わします。

融資が決定されると、「金銭消費貸借証書」に則って毎月返済していきます。
一般的に返済期間が1年以上となるため、長期の融資に用いられることが多いです。

銀行融資は主に3種類

銀行融資を受ける際は、どの融資を利用するのか検討する必要があります。
ここでは、主に3種類の銀行融資について紹介します。

1. プロパー融資

プロパー融資とは、銀行が企業に直接資金提供する融資のことです。
信用保証協会の保証がなくても融資が受けられるので、保証料を支払わずに済みます。

また金融機関と直接融資を行うため、公的融資に比べて申請から融資の実行までの期間を短くできます。

ただし、プロパー融資は銀行側のリスクが高いので、信用の高い企業しか融資が行われません。
そのため、創業したばかりの企業や中小企業はプロパー融資を受けるのは難しいです。

2. 信用保証付き融資

信用保証付き融資とは、公的機関である信用保証協会の保証を付けた融資のことです。
融資を受ける際に信用保証協会が保証してくれるので、融資が受けられやすくなります。

たとえば、企業が銀行から融資を受ける際に信用保証協会が保証人となってくれます。
返済が滞った際に立て替えをしてくれるので、銀行側も返済してもらえないといったリスクを抑えることができるのです。

他にも信用保証付き融資にすることで、金利が安くなることや別の保証人を立てる必要がなくなります。
保証料を支払う必要がありますが、プロパー融資に比べて融資が受けられやすいので創業間もない企業や中小企業におすすめです。

3. ビジネスローン

銀行によっては、ビジネスローンによって資金調達が行えます。
ビジネスローンは金利が高いのがデメリットですが、他の融資に比べて必要書類が少ないです。

審査にかかる期間も短いので、申請から資金提供までの期間を短くすることが可能です。
またビジネスローンは、無担保及び無保証で借り入れできます。

借入限度額が少なく借入期間が短いのがデメリットですが、審査に通りやすい融資にもなるので、すぐに資金調達したい方におすすめです。

銀行融資を受けるまでの流れ

銀行融資を受けるには、審査を通過する必要があります。
以下に、審査を通過するために必要な書類の準備や申し込みまで解説します。

銀行融資の審査に必要な書類を集める

銀行融資を受けるためには、まず提出すべき書類の準備が必要です。
企業として融資を受ける場合は、主に以下の書類が必要になります。

  • 借入申請書
  • 決算状況のわかる資料
  • 決算書(コピー、付属明細書付き)※3期分必要になることが多い
  • 法人税申告書(コピー、別表付き)
  • 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの、原本)
  • 商業登記簿謄本(発行後3ヶ月以内、原本)
  • 資金繰り表

また設備資金や新規事業の融資の場合は、上記の資料の他に売買契約書や事業計画書が必要になります。
自社の状況によって必要な資料が変わりますので、HPで確認するだけでなく銀行に直接問い合わせるのがおすすめです。

銀行融資の申し込みをする

必要資料が用意できれば銀行融資の申し込みです。
申し込みの際は、銀行の相談窓口に問い合わせる必要があります。

また銀行に問い合わせる際に訪問する日時を決定し、必要となる書類を提出します。

必要となる資料を提出することで、申し込みの完了です。
あとは銀行側が提出された資料を参考に融資の審査が始まります。

無事に審査を通過することで、融資を受け取ることができます。

まとめ

自社に合った銀行融資を選ぼう

銀行融資を受けるためには、プロパー融資・信用保証付き融資・ビジネスローンの3つの融資から検討する必要があります。
特に信用保証付き融資は、保証人となってくれるため中小企業でも融資が受けやすいです。

また銀行融資を受けるためには、審査に通過するための書類を用意する必要があります。
融資の内容によって必要となる書類も異なるため、まずは銀行の窓口に相談することをおすすめします。


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