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銀行融資の審査基準や通過するためのポイントを解説

2021年10月20日(水)12:09 PM

資金調達のために銀行融資を利用する予定のある場合、申し込むだけで融資を受けられるわけではなく、必ず審査を受ける必要があります。

ただ、銀行融資を利用するのが初めての場合だと、申し込んでから実際に融資を受けるまでの流れや、どのような部分を審査されるのかが分からないかもしれません。

この記事では、銀行融資の審査の流れや審査基準、審査に通過するためのポイントについて、説明します。

銀行融資の審査の流れ

銀行融資の審査の流れは、おおまかに以下の通りです。

  1. 融資の申し込みを行う
  2. 必要書類を提出する
  3. 銀行の担当者と面談を行う
  4. 審査を受ける
  5. 融資が実行される

融資の申し込みを行うと、必要書類として決算書や資金繰り表などのいくつかの書類を指示されるので、それらを揃えて提出します。

事前に提出した書類をもとにして、会社の経営状況や今後の事業展開などについて銀行の担当者と面談を行ったのち、審査を受けます。

審査に通過したらその後融資が実行されますが、申し込みから融資実行までにかかる時間は、一般的には1ヵ月前後です。
いつまでに資金調達を行いたいというスケジュールがある場合は、なるべく早めに申し込むようにしましょう。

銀行融資の審査基準

銀行融資を利用する場合、銀行融資の審査基準について知っておくとよいでしょう。
ここでは、銀行融資の主な審査基準について、以下で説明します。

格付けが正常先であるか

銀行はそれぞれの企業に対して、定量的および定性的な評価をもって格付けを行っています。

格付けには正常先、要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先の6段階があります。
銀行によっては要注意先でも融資を行う場合ありますが、ほとんどの銀行が6段階のうち正常先に入っていなければ融資を受けることはできません。

後述する融資希望金額や返済計画なども重要な要素ではありますが、大前提として格付けでの条件をクリアしている必要があります。

融資希望金額や資金使途は妥当か

銀行融資を希望するのは、主に今後の事業展開に向けて必要な資金が足りないようなケースです。

資金が足りなくても、今後の展望がきちんと描けていれば、「どのような目的のためにどれぐらいの金額が必要」ということは、きちんと弾き出せているはずです。

しかし、その点があやふやだと事業の先行きも怪しく、融資に対する返済が確実に実行されるかどうかが怪しいと判断されてしまいます。

そのため、融資希望金額や資金使途が妥当なものになっているかどうかは、銀行融資を受けるうえで非常に重要なポイントです。

審査に通るために、融資を申し込む前に融資希望金額や資金使途を明確にしておきましょう。

返済計画がしっかりしているか

銀行は、返済の見通しが立っていない相手に対して融資を行うことはありません。

事業計画や資金計画に基づいた返済計画をきちんと立てられていなければ、融資を受けることは難しいでしょう。
融資希望金額や資金使途と同様に、申し込み前に返済計画を見直すことが大切です。

銀行融資に通るためのポイント

銀行融資の審査に通るためには、まず何よりも銀行の格付けを「正常先」にすることが重要です。
格付けは決算書などの内容から判断されるので、結局のところは業績がよいほうがよい格付けを付けてもらいやすいです。

そのため、基本的なことではありますが、事業できちんと利益を出して安定した経営を継続することが望まれます。

また、融資の申し込みを行う際は「できるだけ多くの金額を融資してほしいです」というような希望を伝えてはいけません。

そのような申し込みは、今後の事業展開をきちんと描けていないということの証左となってしまうからです。

決算書や資金繰り表などをもとにして、融資希望金額に関して「なぜそれだけの金額を必要としているか」を、きちんと説明できるようにしておきましょう。

まとめ

銀行融資の審査では「格付け」が何よりも重要

銀行融資の審査に通過するためには、しっかりとした返済計画を立てることなども重要ですが、何よりも高い格付けを維持していることが求められます。

銀行が企業に対して格付けを伝えることはありませんが、業績を伸ばしてよい財務状況を維持することで、高い格付けを維持することを心がけましょう。


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