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融資とローンの違いとは?それぞれのメリット・デメリット

2021年10月21日(木)10:04 AM

新たな事業を始める際に資金調達が必要です。
しかし、資金調達にはさまざまな種類があり、どれを選んだらよいのか悩んでしまいます。

そこで今回は、融資とローンの違いについて解説します。
またそれぞれのメリット・デメリットを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

融資とローンの違いは資金の使用目的

融資とローンでは資金の使用目的が異なります。
以下では、融資の使用目的とローンの使用目的をそれぞれ解説します。

融資は事業のための借金

融資とは、事業のために借入する資金のことです。
国や地方自治体が用意する「公的融資」と、民間の金融機関による「民間融資」の2種類あります。

融資は事業を起こすことを目的として借り入れます。
そのため、個人の消費を目的とした借り入れはできません。

また、事業用の資金として提供してもらう融資の利用者は、経営者や法人の代表などになります。

融資を受けるためには、公的機関や民間の金融機関から審査を通過する必要があります。
また審査を受ける際は、創業計画書や事業計画書が必要です。

ローンは消費用としての借り入れも可能

ローンは個人の消費用としての借り入れが可能です。
たとえば、借入した資金を個人の生活費に充てることができます。

融資は事業用でなければ借り入れできませんが、ローンは使用目的が事業に関係なく借入できます。

使用目的が個人の消費として借り入れできるローンは、審査を通過できれば誰でも借り入れ可能です。

融資を利用するメリット・デメリット

融資を利用するメリットや、デメリットはいくつかあります。
以下に、融資のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

融資のメリット1. 多額の資金を効率よく集めることが可能

融資を利用するメリットは、一度に多くの資金を手に入れられることです。
融資は公的機関や民間の金融機関から資金調達するなるため、借入限度額も高額になります。

たとえば、開業融資として用意される日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、融資限度額として3,000万円まで借り入れ可能です。[注1]

一方で出資や投資のように個人から資金調達を行う場合に、いきなり3,000万円集めるのはかなりハードルが高いです。また出資者を数人集める必要があるため、効率も悪くなります。

このように融資は公的機関や民間の金融機関の審査さえ通れば、一度に多額の資金を受けられるので、効率よく資金調達が行えます。

[注1]新創業融資制度|日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

融資のメリット2. ローンに比べて低金利

融資は一般的なローンに比べて低金利で借り入れできるのもメリットの1つです。
たとえば、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、無担保・無保証人で借り入れる場合に、高くても利率は2.41~2.80%程度です。

一方で銀行のビジネスローンを利用する場合は、金利が1%~14%と通常の融資に比べて高めに設定されています。
そのため、ビジネスローンよりも融資の方が金利を安くできるので、返済にかかる負担を軽減できます。

融資のデメリット1. 融資は審査が厳しい

融資は、低金利で一度に多くの資金を受けられる代わりに審査が厳しいというデメリットがあります。
融資は限度額が高くリスクが大きいため、銀行側も厳しく審査します。

審査を行う際は、代表者の信用度やこれまでの実績、今後の事業計画書などを慎重に審査します。
審査の結果によっては、十分に資金が借りられないことや資金提供自体を断られ可能性もあるでしょう。

融資のデメリット2. 融資の審査は時間がかかる

審査に時間がかかることも融資のデメリットです。
融資を受ける場合は、厳しい審査が行われるため結果が出るまで時間がかかります。

たとえば初めて日本政策金融公庫の融資を受ける場合に、審査期間は通常2週間程度と言われています。
他にも審査のために必要な書類も多いため、準備期間まで見込むと3週間は必要となるでしょう。

融資の相談から審査まで3週間程度待つ必要があるため、すぐに資金調達したい方には向いていません。
また資金が必要な時期が決まっている場合でも、できるだけ早く申請することをおすすめします。

ローンを利用するメリット・デメリット

ローンを利用する際もいくつかメリットやデメリットがあります。
以下では、ローンのメリットやデメリットをそれぞれ解説します。

ローンのメリット1. ローンのタイプはいくつか用意されている

ローンのメリットは、事業用だけでなくさまざまなタイプが用意されていることです。
特に住宅ローンや自動車ローンなどが代表的です。たとえば、自動車ローンを組む場合は、自動車の購入時のみ利用可能です。

ローンは目的ごとに借り入れ条件が異なるため、比較的借り入れしやすいです。
また個人に合わせたローンが用意されているため、個人の消費用として活用できます。

ローンのメリット2. 即日で借り入れできるローンもある

ローンによっては、即日で借り入れできるケースがあります。
たとえば、消費者金融のアコムではカードローンの審査が最短30分で完了します。

また最短即日融資となるため、当日に融資を受けることが可能です。
融資の申し込みから審査まで1日で完了してしまうので、緊急で資金調達が必要な場合に最適です。

ローンのデメリット1. 借り過ぎに注意が必要

ローンを利用する場合は、借り過ぎに注意が必要です。
融資に比べて審査が通りやすいローンは知らないうちに借り過ぎている場合があります。

たとえば、複数社からローンを組む場合、当然ですが自ら毎月の返済金額や返済期間を管理する必要があります。
しかし、無計画にローンを組んでしまうと、想像以上に返済金額が膨らんでしまうため、毎月の返済に苦労してしまうでしょう。

ローンは簡単に借り入れできる分、自ら管理しなければ後々苦しい思いをします。
そのため、ローンを利用する場合は計画的に借り入れる必要があります。

ローンのデメリット2. 融資に比べて金利が高い

融資に比べると金利の高さや借入限度額が小額になります。
特に金利はローンのタイプにもよりますが、自由に使うためのカードローンになると平均で14%と言われています。

一方で融資は2%以内で収まることが多いため、ローンは12%も高い金利になります。
金利が高いほど余分に支払う金額も高額になるので、返済の負担が大きくなってしまうでしょう。

まとめ

最適な資金調達を行うためにも融資とローンの違いを理解しよう

融資とローンの違いは使用目的が大きく異なります。
事業用として借り入れる場合は融資を選び、個人の消費用として借り入れる場合はローンを選ぶ必要があります。

特に事業用として資金調達を行う場合は、融資の方が一度に多くの資金を手に入れることが可能です。

また金利も安いので返済の負担を少なく借り入れることができます。
ただし、審査が厳しく融資を受けるまで時間がかかるので、すぐに必要な場合はローンを選びましょう。


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