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遺産相続後に確定申告が必要なケースや手続き方法を解説

2021年11月02日(火)11:42 AM

遺産を相続すると相続税が発生します。
お金や資産が手元に入るため、所得税も支払わなければならないのではないか、確定申告が必要なのではないかと考える方も多いでしょう。

この記事では遺産相続後は確定申告が必要なのか、どんなケースで確定申告をしなければならないのか、さらに遺産相続後の確定申告に必要な書類、手続き方法などについて解説します。

遺産相続後に確定申告が必要なケース

遺産相続の際に発生するのは相続税です。
所得税はかからないため、基本的に確定申告は必要ありません。

ここで紹介する4つのケースの場合は確定申告が必要、またはおすすめです。

1. 相続した土地などを売却した場合

遺産として相続した土地、建物、さらに有価証券などをそのまま使用するのではなく売却した場合、売却時に所得が発生したと考えられるため確定申告が必要です。
これらを売却した金額から取得したときの金額を引き、さらに税率をかけたものが確定申告から差し引かれます。

指定された期間に相続したものを売却した場合は特例措置を受けられます。

2. 収入源となる遺産を相続した場合

家賃収入のあるアパートや使用料のある駐車場などを相続した場合、その収入が課税対象になります。

相続が発生した日から12月31日までの収入を確定申告しなければなりません。

3. 遺産を寄付した場合

遺産を相続したものの自分で使うのではなく、寄付した場合は確定申告がおすすめです。
これは必須ではありませんが、寄付した場合は確定申告をすることで寄付金控除を受けられます。

所得税を抑えられ、節税対策ができます。

4. 現金化した遺産を分割した場合

不動産やその他の現金以外のものを相続し、それらをすべて現金化して分割して相続した場合、収入が発生したことになるため確定申告が必要です。

相続が発生した日を起点とし、その日から12月31日までに分割で受け取った金額を確定申告の書類に記載します。

遺産相続後の確定申告に必要な書類

遺産相続後の確定申告に必要な書類を紹介します。
確定申告の期限に間に合うよう、事前に準備しておきましょう。

1. 確定申告書

確定申告書は税務署で受け取れるだけでなく税務署のホームページからダウンロードできます。

2. マイナンバーがわかるもの

マイナンバーカードがあれば確定申告がスムーズになります。
マイナンバーカードがない場合はマイナンバーがわかる通知書などを用意してください。

扶養家族がいる場合は家族分のマイナンバーが必要です。

3. 印鑑

確定申告の書類を作成する際に印鑑が必要です。

4. 相続した収入を証明する書類

相続した遺産に所得税がかかる場合は、その遺産によって得た収入を証明できる書類が必要です。
領収書や請求書、納品書など、金額や日付、発行元などがわかるものを用意してください。

5. その他の必要書類

還付金を受け取る場合は振込先となる口座番号がわかる通帳などを用意してください。
寄付控除を受ける際は、寄付したことを証明する領収書が必要です。

さらに社会保険料控除など、各種控除を受ける場合は控除を証明する書類を用意しましょう。
過去に確定申告の電子申請をしたことがある方は利用者識別番号がわかる書類を用意しておくとスムーズです。

遺産相続後の確定申告の手続き方法

遺産相続後の確定申告は、通常の確定申告と同じく決められた期間内に申告しなければなりません。
税務署の窓口に必要書類を持っていけば相談に乗ってくれて、一緒に確定申告の書類を作成してくれます。

確定申告を毎年しているような方であればインターネットで簡単に手続きができます。

遺産相続で大きな金額を動かすとなると、脱税が発覚した際の罰則もより重いものになります。
わざとではなくても記入漏れなどがあると税務署から指摘され、やましいところがなくても睨まれてしまう可能性が高くなります。

遺産相続に関する確定申告に自信がない、不安な点があるという方は、適当に済ませずに税理士に相談しましょう。
正しい方法で確定申告ができ、場合によっては還付金を受け取れるため節税対策にも役立ちます。

まとめ

遺産相続は確定申告が必要なケースがある

通常遺産相続をしても所得税がかかることはありませんが、今回紹介したようなケースの場合収入とみなされて確定申告が必要な場合があります。
確定申告が必要な場合は忘れずに期間内に申告を済ませましょう。

確定申告をおこなったことがない、遺産のような大金の記入に不安があるという方は、ミスによる課税などを防ぐためにも税理士に相談することをおすすめします。


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