海外在住でも確定申告はできる?そのやり方や注意点を解説
海外在住者の確定申告について解説します。
勤めている企業が年末調整をしてくれるわけではない個人事業主は、自分で確定申告を行う必要があります。
本記事では、海外在住の場合確定申告はすべきなのか、どのようにするのか、さらに海外在住者が確定申告をする際の注意点について解説していきます。
海外在住でも確定申告が必要なケース
海外で仕事をして海外での収入のみで暮らしている海外在住者は、基本的に確定申告の必要はありません。
しかし、次のケースに該当する場合は確定申告の必要があります。
国内源泉所得がある場合
海外在住者であっても、国内源泉所得がある場合は確定申告が必要です。
国内源泉所にはさまざまな分類がありますが、主な分類としては下記があります。
- 国内の資産運用や譲渡によって得た所得(アパートやマンションの売買、賃貸など)
- 組合の契約事業から発生した利益の配分
- 株式の利子や配当金
- 生命保険金や年金など
その他の国内での収入も、国税庁でその分類を確認できます。
その年に日本国内での収入がある場合
その年に他国へ移住し海外で収入を得たとしても、それまでの1年間で国内で収入を得ていた場合はその分の金額の確定申告をしなければなりません。
企業に勤めていて退職し海外に移住する場合は、会社に所得税の計算をしてもらうことも可能です。
しかし、退職後海外移住までのあいだに一定以上の所得があった場合、その金額を確定申告しなければなりません。
海外在住者が確定申告を行う方法
確定申告をする必要がある場合、確定申告のためだけに帰国するのが難しい場合もあります。
自分で確定申告をする方法だけでなく、代理人に確定申告をしてもらう方法についても確認しておきましょう。
自分で確定申告をおこなう
その年に国内で所得があり、年の途中から海外に移住する場合は、移住する前に確定申告をするのが一般的です。
確定申告は毎年2月から3月までに昨年の所得を計算して所得税を確定するものですが、この期間内に国内にいる場合は確定申告を自分でおこないましょう。
そうでない場合、余裕があるのであれば確定申告の時期に帰国して手続きをすることも可能です。
納税管理人に確定申告をしてもらう
海外移住する際に納税管理人を指定すると、納税管理人に確定申告をしてもらえます。
納税管理人は海外移住をする前に税務署に届け出を出すことで承認されます。
納税管理人は、家族や親族だけでなく税理士、弁護士を雇うこともできます。
また、日本の会社に属したまま海外移住をする際はその会社を納税管理人に指定しても構いません。
納税管理人がいれば確定申告だけでなく納税なども任せられるため、自分で帰国して確定申告ができそうにない場合は依頼しておきましょう。
海外在住者が確定申告する際の注意点
海外在住者の確定申告が必要な場合の注意点について解説します。
申告期限や税金の種類、所有している株式などについて確認しましょう。
申告期限に注意する
確定申告には期限があります。毎年2月から3月までで日付けも決められています。
この期限内に申告できなくても申告の意思があったことを証明できれば、また勧告が来る前に自主的に確定申告をすれば、ある程度期限を経過していても罰則などはありません。
出国する日までの日本国内での所得、出国してからの日本国内での所得のそれぞれを計算し、期限内に申告しましょう。
納税管理人を立てている場合は通常通り確定申告の期限内に申告をする必要があります。
納税管理人を立てていない場合は、確定申告の期限内、または出国日までに国内での所得を算出し確定申告をすることも可能です。
1億円以上の株式がある場合
時価にして1億円以上の株式を所有している場合、出国までにその株式をすべて売却した際の利益を確定申告に反映させなければなりません。
この時価1億円の株式には一定の条件がありますので事前に確認してください。
不明点がある場合は税理士などに相談し、必要であれば相応の手続きをおこなう必要があります。
その他贈与税や相続税が発生した場合にも確定申告が必要です。
まとめ
海外在住の前に確定申告について把握しよう
海外在住で海外で収入を得ていても、その年内に日本での収入があった場合は期限内に確定申告をする必要があります。
また、海外に住んでいる場合でも不動産の売買や家賃収入など国内で収入がある方は確定申告をする義務があります。
確定申告のために帰国するのが難しい場合は、納税管理人を立てて代理で申告から納税までをおこなってもらうことも可能です。
海外在住者であっても確定申告の義務があるのに無視し続けていると罰則の対象になる可能性もあるので、忘れずに確定申告の準備をしておきまよう。
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