株の損失も確定申告すべき理由や必要書類・注意点を解説
一年の収支から所得税を決定する確定申告では、株取引の損益も申告しなければなりません。
株で損失を出した場合、確定申告で申告する義務はありません。
ですが申告をきちんとおこなえば節税に効果的です。
この記事では、株で損失を出した際の確定申告のポイントなどについて紹介します。
株の損失も確定申告したほうがいい3つの理由
株の損失は基本的に確定申告をする必要はありませんが、確定申告をすることで損益通算、繰越控除の特例措置を受けられます。
これらにどんな意味があるのかについて解説します。
1. 損益通算の措置を受けられる
損益通算は、株の損失を株の利子や配当所得で相殺してくれる措置です。
年間で100万円の損失を出し、利益や配当所得が20万円あった場合、損失の金額は80万円として処理できます。
利子、配当所得には税金がかかり源泉徴収されますが、損益通算をすることで源泉徴収された分の金額を還付金として受け取れます。
2. 複数口座でも損益通算が可能
株の取引を複数の口座でおこなっている方は多いでしょう。
株の損益通算は、複数口座にも適用されます。
1つの口座で損失を出し、別の口座で利益を出した場合でも、通常の損益通算と同じように合算した結果から利益を出した金額の還付金を受け取れます。
3. 繰越控除を受けられる
譲渡で出た損失を3年間繰り越せるのが繰越控除です。
損失を出してからの3年間で出した利益と損失を相殺できるという特例措置です。
80万円の損失を出した場合、以後3年間で80万円の利益を出せば、そこでやっと課税の計算がおこなわれるようにできます。
株の損失を確定申告する際に必要な書類
株の損失を確定申告する際は必要書類を揃えなければなりません。
確定申告は期限がありますので、期限内に必要書類を用意してスムーズに手続きを進めましょう。
税務署に提出する書類
確定申告書や申告のための表は税務署に提出しなければなりません。
これらの書類は税務署で受け取れる他、ホームページからダウンロードしてプリントしたものでも可能です。
ホームページから電子申告ができたり、マイナンバーカードから申告ができるシステムも整っています。
その他にも計算明細書も作成しなければなりません。
その年の収支を細かく記入します。
所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表という、損益通算、繰越控除を利用する場合に必要な書類もあります。
書類作成に必要な書類
確定申告の書類を作成するためには、まず株の取引が明確にわかる書類が必要です。口座の取引報告書などで結構です。
企業に勤務している場合は源泉徴収票も用意してください。
マイナンバーカード、またはマイナンバーがわかる書類も必要です。
マイナンバーカードがあれば税務署での確定申告の手続きがスムーズになります。
扶養家族がいる場合は家族分のマイナンバーがわかる書類も用意してください。
株の損失を確定申告する際のポイント
株の収支を確定申告する際は正しく書類を作成する必要があります。
間違った金額を記入したり、あえて不正をおこなった場合は罰則が課せられることもあります。
また、株の損失を確定申告する際に間違えてしまうと還付金を受け取れなくなるかもしれません。
企業に勤めていて確定申告の経験がないなどの場合はミスをしてしまう可能性も高くなります。
不明点はそのままにせず、税理士に相談することも視野に入れましょう。
確定申告の書類作成に強い税理士を探してみてください。
また、税務署に行けば職員が書類の作成方法などについてアドバイスをしてくれます。
電話で相談できる窓口もありますので利用するのもおすすめです。
株の損失を確定申告する場合の注意点
株の損失を確定申告する際は、損益通算と繰越控除を利用することで還付金を受け取れます。
ですが繰越控除を選択した場合、その後3年間かならず確定申告をおこなう義務が発生します。
その後株の取引をしなかった場合でもこの義務は継続していますので、忘れないようにしてください。
さらに、損益通算の措置を受けることで扶養家族の国民健康保険などが高くなってしまいます。
結果的に支払いの方が高くなる可能性もありますので、このデメリットもよく理解したうえで損益通算の措置を受けるかどうか検討してください。
まとめ
株で損失を出したら確定申告をしよう
株で損失を出した際の確定申告について解説しました。
利益を出した際には必須の確定申告ですが、損失を出した際は確定申告の義務はありません。
ですが確定申告をすることで節税対策が可能です。
必要書類を用意し、損益通算や繰越控除の措置を受けましょう。
不明点がある際は税理士に相談し、正しく確定申告ができるようにしてください。
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