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融資審査における事業計画書の重要性や書き方のコツを解説

2021年10月21日(木)11:11 AM

「融資を受けたい」と考えて、事業計画書を作成する企業は少なくありません。
しかし、事業計画書の重要性を知らずに作成してしまうと、融資審査で落とされてしまう可能性があります。

この記事では、事業計画書の内容や重要性について解説します。
また事業計画書の書き方のコツまで紹介します。

事業計画書とは今後の事業を明確にした計画書のこと

事業計画書とは、今後どのように事業を運営していくのかを明確にした計画書のことです。事業計画書を作成することで、今後の事業のイメージを形にすることができます。

たとえば事業計画書には、事業内容や企業戦略などを計画します。
また、どのように実行するかまで記載するので、今後の事業を具体的にまとめることが大切です。

事業計画書は、融資審査の際に必要になります。
事業内容によっては銀行の融資審査に大きな影響を与えることがあります。

将来的に期待できるような事業計画書を作成できれば、融資の審査が通過しやすくなるでしょう。

融資審査における事業計画書の2つの重要性は

融資審査は事業計画書を判断材料としています。
また事業計画書を作成している企業は多くないため、優位に融資審査が勧められるのです。

以下では、それぞれの内容を詳しく解説します。

事業計画書を判断材料としている

融資の担当者は、融資審査を行う際に事業計画書を判断材料としています。
事業計画書を参考に、貸した資金を回収できる可能性や利息からの収益を見込んで融資の判断を行うのです。

そのため、将来性が期待できる事業計画書を作成できれば、融資が受けやすくなります。

一方で将来性のない事業計画書を作成してしまうと、リスクが高いと判断されてしまいます。
そうした場合は、銀行側も敬遠して融資が受けられなくなるでしょう。

他の企業に比べて優位に融資審査を進められる

事業計画書を作成しておくことで、他の企業に比べて優位に立てます。
どこの企業も事業計画書を作成していると考えられますが、実はあまり多くありません。

株式会社野村総合研究所の「令和元年度中小企業支援機関の在り方に関する調査事業」によると、経営計画を行っている小規模事業者は47.5%で残りの52.5%は経営計画を作成していないことがわかります。[注1]

こちらのアンケートは中小企業を対象に経営計画の策定の有無を調査したものであり、経営計画を行っている小規模事業者と中規模事業者の割合が算出されています。

また中小企業は69.6%と、事業計画書を行っていない中小企業は3割~5割程度存在します。
そのため、事業計画書を作成するだけでも半数近い中小企業よりも優位に融資審査が勧められます。

[注1]令和元年度中小企業支援機関の在り方に関する調査事業|株式会社野村総合研究所
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/PDF/shokibo/05sHakusyo_part3_chap2_web.pdf

融資審査に通るための事業計画書を書く4つのコツ

融資審査に通るための事業計画書の書き方には、いくつかコツがあります。
以下に4つのコツを解説します。

1. 実現可能な計画にする

融資審査を通過するためには、実現可能な計画を立てることが重要です。
融資担当者は事業計画書に記載されている内容が実現可能か判断するために、これまでの事業内容や規模の整合性を確認します。

整合性を確認した際に、あまりにも現実的な計画でない場合はかえって逆効果です。
融資担当者に不信感を与えないためにも実現可能な計画を立てる必要があります。

2. 根拠をもって説得力ある計画にする

事業計画書を作成する際は、根拠をもとに説得力のある計画を立てることが大切です。
たとえば、業界の市場規模や売上高をリサーチしておくことで、数字の裏付けができます。

また過去の損益計算書を参考にすることで、さらに説得力のある計画書を作成することが可能です。
説得力のある事業計画書は、融資担当者も信頼できるため、融資審査に通りやすくなります。

3. 誰が見てもわかりやすいように作成する

事業計画書は、誰が見てもわかりやすいように作成する必要があります。
融資の担当者は、事業計画書を理解して融資の判断を行います。
そのため、事業計画書がわかりにくいと審査がスムーズに行えなくなるのです。

特に専門的な事業を行っている場合は、専門用語を多用しないように注意が必要です。
専門用語を多用した計画書はわかりにくいため、業界以外の人でもわかりやすい内容にまとめる必要があります。

また事業計画書は、ボリュームの配慮も大切です。
記載する情報が膨大すぎると理解するまでに時間がかかってしまいます。

正確に理解してもらうためにも、情報量を整理する必要があるでしょう。

4. 競合優位性を記載する

事業計画書に競合優位性を記載すると、融資審査が通りやすくなります。
競合他社と比べて自社商品の優位性が説明できれば融資の担当者から高い評価を得ることが可能です。

また将来性の高さを評価してもらえるので、さらに融資が通りやすくなることが考えられます。
他社との違いや優れている部分を明確にすることで融資審査が通りやすくなるでしょう。

まとめ

融資審査における事業計画書の影響は大きい

事業計画書は、融資審査の判断材料になります。
事業計画書の内容によって融資審査が大きく左右されるため、説得力のある内容にまとめる必要があります。

そのため、説得力を持たせるためにも事業計画書は根拠をもって実現可能な計画を立てる必要があるのです。

また融資審査は、融資の担当者との信頼関係も大切です。
信頼関係構築のためにも、事業計画書は分かりやすくまとめるように心がけましょう。


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